【短期投資はできるのか】不動産投資の最適な運用方法について
バブル期の時代は、不動産投資と言えば物件の売買で収益を上げることが一般的でした。
しかし、現在の主流は不動産賃貸業による長期投資が一般化しています。
そこで今回は、一体なぜ長期投資での売買が主流になったのかについて解説していきます。
そもそも不動産投資とは何か
それではまず不動産投資の種類について解説しましょう。
一言で不動産投資と言ってもさまざまな種類があるのですが、大きく分けると2種類に分類することができます。
不動産投資の種類
それでは短期投資のメリットとデメリットを見ていきましょう。
物件売買による短期投資タイプ
メリット
デメリット
物件売買による不動産投資は、安い物件を高い価格で売ることで利益を得るハイリスクハイリターンな投資方法。
基本的な運用システムは株やFXなどに近いです。
別名で「キャピタルゲイン」と呼ばれたりもします。
短期で大きな利益を狙える
長期投資タイプで運用した場合、自身の所有物件に住む入居者から家賃収入を得て収益を出しますが、不動産の購入金額を超える利益がでるまでに時間がかかってしまいます。
しかし、不動産売却による投資では、短期で利益を出せるため、何度も売買を繰り返すことで莫大な資産を築いた方もいらっしゃいます。
特にバブル期の土地や物件価格の上昇はすさまじかった時は、知識がなくてもとりあえず買っておけば儲かると言われていたほど。
それにより金融機関も融資を積極的に行っていたため、一般的な会社員でも金融機関から融資を受けて高額な物件を売買しておりました。
自己資金が必要
バブル期の頃は簡単に融資が受けられましたが、今は違います。
それはバブル崩壊により物件価格が暴落し、融資を返せなくなってしまって破産する方が続出してしまったため。
バブル崩壊の失敗を踏まえて、現在では金融機関の融資審査が非常に厳しくなっております。
そのため現在では初期費用が多く必要となり、自己資金のない方には始めるのが難しい投資です。
5年以内の売却は税金が倍になる
不動産を売却した際に、購入額よりも売却時の値段が高い場合に得られる利益のことを譲渡所得と呼びます。
そして、譲渡所得が発生した場合、それに対して税金が発生するのですが、不動産を取得してから5年以内に売却した際には、利益に対して課せられる税金が通常の倍近くになってしまいます。
長期譲渡所得
短期譲渡所得
※2013~2037年までは復興特別所得税2.1%も課税
これは「空中族」と呼ばれる短期転売を繰り返す投資家が増えたことにより、それを抑止するために取られた法改正です。
空中族とは
タワーマンションからタワーマンションへ短期で住み替える方々を通称「空中族」と呼びます。
空中族はタワーマンションの売却で得た利益を元手に、さらに高額な物件を購入するという転売を繰り返し、雪だるま方式で資産形成を行っていきました。
つまり、原理はバブル期に流行っていた「土地転がし」とほぼ同様です。
物価上昇が続いている間は利益を生み出せますが、途中で資産バブルが終了して物件の価値が下がってしまった場合、多額の損失を抱えてしまう恐れがあるということ。
これを借金して行っていた場合、自己破産するしかない状況になる場合もあるため非常にリスクの高い手法です。
最近では需要の高い物件は価値が高騰してしまっており、お得な中古物件というのは中々出回っておりません。
一時期は多くの方が実行しテレビでも取り上げられるほどになりましたが、時代の変化と共に以前のような売却益を得るのは難しくなっております。
難易度が高い
近年はバブル期と異なり、放置しているだけで大きな物件価格の上昇が起こる物件を狙って購入するのは至難の業です。
そのため、一般的に使われる方法としましては、
少し古くなって資産価値の低くなってしまった中古物件を安く購入し、リフォームなどを行い資産価値を上昇させ、入居者を集めた後に売却するという方法が使用されます。
リフォーム費用やその他諸費用もかかるため、実際の価値よりもかなりお得に取得しないと利益になりにくいです。
当然、需要の高いことが分かる物件は価格も高騰してしまうため、個人が購入できるような市場に需要の高いお得な物件が出回ることは稀です。
また、不動産の売買だけでなく、様々な手続きが必要になるほか、
失敗した際のリスクが非常に大きく、副業にはあまり向かない投資方法です。
「人生100年時代のマンション投資の教科書」という本でも下記のように語られております。
そもそも、マンションをはじめとする不動産は、短期的な投資、つまりは投機には向いていません。売買にも時間がかかりますし、家賃や物件価格の変動も非常に緩やかです。
不動産投資の短期的な保有と売却で、巨額の利益を得られたバブル期のイメージが強烈すぎるのか、不動産投資でも短期的な利益を得られるのではないかと考える人がいまだに一定数いるのですが、バブル期はさまざまな条件が噛み合った異常な状態でした。
今後、予見しうる将来に、同じように不動産の短期的な売買で大きな利益を得られるような状況がくるとは、私にはとても思えません。
引用元:人生100年時代のマンション投資の教科書
短期売買は免許がないと原則行えない
不動産の売買を繰り返し行うことを「反復継続」と呼びます。
この反復継続は、宅建業法によって宅建業の免許がないと行えないと定められています。
つまり、免許がないものは不動産の売買を繰り返して収益を上げる投資は原則できないのです。
(無免許事業等の禁止)
引用元:宅地建物取引業法12条
第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。
「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」
宅地建物取引業法第79条第2号により、免許を持たぬものが反復継続を行ってしまうと、
「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」またはその両方が科せられる恐れがあります。
第七十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 不正の手段によつて第三条第一項の免許を受けた者
引用元:宅地建物取引業法79条
二 第十二条第一項の規定に違反した者
三 第十三条第一項の規定に違反して他人に宅地建物取引業を営ませた者
反復継続とみなされる基準
不動産を全く売ってはいけないかと言われるとそんなことはありません。
家を売却するという行為は、必ずしも利益目的とは限らないからです。
そして、その判断基準なのですが、反復継続には明確な基準がありません。
短期で不動産の売買を繰り返したり、古い物件を購入後にリフォームして高値で転売など、明らかに利益目的の行動をしなければ該当しないことが多いでしょう。
そのため、実際には免許がなくても、利益目的で売買を行っている方がいらっしゃることも事実です。
しかし、他がバレていないなくても自分が目を付けられないという保証は全くありません。
現在、不動産の短期売買で利益を出すことは、一般人にとって難しいものになってきており、失敗した時のリスクが大きいです。犯罪のリスクを冒してまで新規で始めるメリットは少ないでしょう。
家賃収入による長期投資タイプ
メリット
デメリット
長期投資タイプの不動産投資は「不動産賃貸業」
別名「インカムゲイン」と呼ばれ、自身の所有物件に住む入居者から家賃収入を得て収益を出します。
長期投資タイプでは、短期投資タイプとは対照的に利益が出るまで時間はかかるものの、
手間のかかる手続きや管理業務なども一括で管理業者に委託できるので、働きながらでも本業に支障なく収益が得られるため、現在サラリーマンの方を中心に人気が高まっています。
不動産投資の短期投資タイプまとめ
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不動産投資に限らず、大きな利益が出る投資は、リスクもそれに比例して大きくなることが多いです。
しかし、投資は軍資金がなくなってしまうと不利になってしまうため、長く投資を続けるためには最初に失敗しないことが重要となります。
そのため、大きな財産を築く場合は、低リスクのものから始めた方が、一見遠回りに見えても結果的に近道になることも多いでしょう。
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