なぜ公務員の副業に不動産投資が人気なのか
2015年から公務員の年金が減額になったことにより、将来のために貯蓄を増やすことを考える公務員の方が多くなりました。
しかし、公務員は安定している職業ですが、収益を増やすための手段が限られているため、貯蓄をどのように増やすか悩んでいる方も多いかと思います。
そんな中、公務員の副業として『不動産投資』が人気なのはご存知でしょうか?
そこで今回は、なぜ不動産投資が公務員に人気なのかということや知らないといけない注意点について解説いたします。
公務員は法律で副業が禁止されている
まず前提として、公務員は国家公務員・地方公務員ともに法律で副業が禁止されています。
そのため、会社にバレないようにこっそりと副業をした後でバレてしまうと、懲戒処分などの罰則を受けてしまう恐れがあります。
国家公務員法の規定
引用元:国家公務員法
(私企業からの隔離)(国公法第103条)
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
(他の事業又は事務の関与制限)(国公法第104条)
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
地方公務員法の規定
(営利企業等の従事制限)第38条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない
引用元:地方公務員法
副業に該当しない条件
公務員の副業は基本的には法律で禁止されておりますが、中には本業以外で収益を上げている方もいらっしゃいます。
その理由は一部の例外が存在するからなんです。
認められる条件として主に下記のようなものがあります。
公務員の副業で認められる条件の原則
こちらの条件を見てまずネックとなるのが「営利目的でない活動」という条件でしょう。
営利目的でない副業は趣味と大差ないため、公務員の方々からすれば求めているものと異なってしまうと思います。
ですが、実は上記の条件を満たしながらも収益が得られる方法があるのです。
それが『資産運用』という方法。
不動産投資は副業禁止に該当しない
公務員は副業が禁止されておりますが、不動産投資などの資産運用は副業に該当しません。
規則にも承認が下りれば不動産投資ができるということが明記されております。
職員は、所轄庁の長等の承認があった場合は、マンション・アパートや土地の賃貸などを行うことができる
参照元:人事院規則一四―八(営利企業の役員等との兼業)
ただし、残念ながら不動産投資であっても申請すればすべて承認されるわけではありません。
公務員が不動産投資を行うためには、下記の条件をクリアする必要があります。
承認される条件
本業に支障がないこと
原則にもあった通り、本業に支障が出てしまう場合はNGです。
規則にも下記のように明記されております。
公務員の副業の承認条件
入居者の募集や賃貸料の集金、不動産の維持管理等の管理業務を事業者に委ねることなどにより、職務遂行に支障が生じないようにすること
参照元:人事院規則一四―八(営利企業の役員等との兼業)
これはつまり、自分で物件を管理せずに管理会社に委託すれば問題ないということ。
一般的に不動産投資は自分で管理するのは本業がある方には難しく、この条件がなくても管理会社に委託することが多いので、あまり大きなデメリットにはなりにくいです。
仲介会社を挟むメリットについては下記の記事で詳しく紹介しております。
一定規模以下であること
基本的には不動産投資であれば副業に該当しないのですが、一定規模を超えてしまうと副業禁止に該当してしまう場合があるため注意しましょう。
5棟10室
所有物件が多すぎると副業ではなく、事業規模と判断されてしまうことがあります。
多少条件によって前後はありますが、一般的に「5棟10室」がボーダーラインとされています。
5棟10室とは?
5棟10室というのは、戸建ての収益物件を5棟所有している、あるいは区分所有の部屋を10室もっているという状態。これに該当してしまうと「事業的規模」と判定される場合が多いので注意が必要です。
しかし、個人でそこまでの規模の不動産を持つケースは少なく、特にこれから始める方にはあまり関係がないと思われますのでご安心ください。
家賃収入が年間500万円未満であること
不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行っている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
引用元:「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)に運用について」
5棟10室とは別に『家賃収入が年間500万円未満であること』という条件もあります。
こちらも5棟10室と同様に初期のうちはあまり該当することは少ないです。
不動産投資の副業禁止について詳しくは下記の記事で紹介しております。
承認が下りれば一定規模以上でも運用できることも
申請手続きが必要となりますが、承認されれば一定規模以上の不動産でも運用が行えます。
ただし、残念ながら申請すれば誰でも通るわけではありません。
相続による不動産取得は認められやすい
一定規模を超える投資用物件を親族から相続しただけで懲戒処分というのはいささか強引でしょう。
そのため、相続により不動産を取得した場合などには認められることが多いです。
その他、やむおえない事情で不動産を取得することになった場合は、バレないように隠して運用しようとせず正直に申請するようにしましょう。
公務員に不動産投資が人気の理由
融資が受けやすい
不動産投資の魅力として、融資を受けることで自己資金が少ない方でも資産運用が始められるという点があります。
そのため、不動産投資を始める場合、多くの方が金融機関から融資を受けて始めております。
しかし、残念ながら全員が融資を受けられるわけではありません。
融資の前に今後融資を返済していけるかどうかの審査を受けることとなります。
その際に重視して見られるのが「物件情報」と「個人の信用情報」の2点。
融資審査で見られるポイント
公務員は一般的な会社員よりも社会的信用力が高いことが多く、金融機関の融資が通りやすくなります。
そのため、公務員は最も不動産投資を始めやすい職業として有名です。
丸投げで良いので働きながらできる
不動産投資を行う場合、部屋の管理や修繕、入居者との契約や事務手続きといった、専門知識や手間が必要とされる作業が多くあります。
しかし、それらの賃貸管理業務はまるごと管理会社に任せることできます。
それにより、業務に支障なく資産運用が行えるのです。
公務員の場合は特に規則で定められてしまっているため、本業に支障が出ないことが必須条件です。
そのため、公務員でも行える数少ない副業として人気を集める要因となっております。
また、条件さえ満たしていれば若い方でも始められる資産運用なため、20代から数千万単位の資産運用を行っている方もいらっしゃいます。
年金対策になる
2015年10月、共済年金が厚生年金に一元化されて廃止になったことにより、公務員の年金受給額が減ってしまいました。
そこで、公務員の年金対策として今注目されているのが『不動産投資』なんです。
不動産投資が年金対策として有効と言われる一番の理由は、不動産投資が長期的に安定した不労所得を得られるという点。
退職後も継続して収益を得ることができる不動産投資は、減額となった年金を補うのに有効な手段と言えるでしょう。
公務員の不動産投資まとめ
公務員による不動産投資の条件まとめ
公務員に不動産投資が人気の理由
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